創作する孤独

作品を二つ応募に出してからボーッとしている。次に書くための構想はあるがなかなか筆が進まない。コンピューター画面を見つめもどかしくなる。息ができないほど苦しくなる。

 

寝ても覚めても書くことを考えている。ネタ帳を睨みながら、窓の外を眺めながら、登場人物の姿を思い浮かべる。どんな言葉を発し交わさせるのか頭をひねる。立ち上がって身体を伸ばし緩めてみる。

 

しかし、キーボードの上の指は動く気配がない。ここがオレの伸びしろなのかと天井を見上げる。ため息をつきたくなる。努力が足りないのかと自分を自問する。

 

諦めたくない夢がある。誰かに伝えたい物語がある。もっと書きたい。おのれの限界を超えたいのだ。原稿を仕上げる自分を想像してみる。

夢を追いかけて、還暦

高校生だったころ、司馬遼太郎の本をとことん読んだ。頭の中を氏の言葉・言い回しが独り歩きするほどに。暑いときは扇風機の風を浴びながら、寒いときは布団の中にもぐりながら読み漁った。

 

出会いは「竜馬がゆく」だったと思う。何でも目につくものは読んだ。そのためにオフクロに小遣いをねだり、郵便局のバイトに精を出した。

 

突然文章を書きたくなった。読むのではなく書くことをしたくなった。原稿用紙を目の前にして挑んだ。しかし、半分を埋めることなく潰えた。どうしていいかわからず、その先が見えなくなった。

 

今年還暦を迎える。再び挑戦したくなった。司馬遼太郎のあとを追いたくなったのだ。同じことはできなくても少しでも近づきたい。夢は見たもん勝ち、と繰り返し自分に言い聞かせてきた。今やらなくていつやるのか。

自家製さつまいもあん

今週のお題「あんこ」

 

パン作りが好きで、具にはあんこを使うことが多い。他にもレーズン、クルミ、ごま、チョコレートもあるが、いつ食べても美味いと感じるのはあんこ。スーパーマーケットで売っているものを使えば面倒なこともない。

 

生地をこねて一次発酵させたら、丸く薄く伸す。真ん中にあんこを置いてそれを包むように生地を寄せて閉じる。成形ができたらもう一度発酵させてから焼き上げる。オーブンの中で少しずつパンが膨らんでいく。この姿を見るのが楽しい。するとバターの香りが漂い始める。そのあとを追って小麦粉の焦げる香りが重なる。幾度となく繰り返していることだがこの瞬間はシアワセだ。焼き上がりの期待も大きく膨らむのだ。

 

それがつい一月くらい前にさつまいもあんを入れるパンのレシピを見つけた。一見あんこを自分で作るのは手間が多くてできないと思った。ところがレシピを読んでみて案外簡単かもしれないと考え直した。さつまいもをゆでて、つぶす。そこに砂糖を入れてペースト状になるまで混ぜ合わせる。それだけだ。

 

ボールの中のさつまいもあんは薄い黄色だ。少し水っぽいのではないかと心配になり味見すると十分に甘い。さつまいものやさしい甘さが口の中に広がる。これならパンの具としていけると確信した。生地にたっぷりさつまいもあんをのっけて丁寧に包んでいく。手のひらに感じるずっしり感が嬉しい。それを予熱の済んだオーブンに入れて焼く。

 

オーブンから出してまだ熱いが、待ちきれず両手でパンを割いて口に入れる。上出来だ。小豆よりなめらかな舌触りには驚く。自分で作るあんもいいもんだと満足。

 

あんこといえば小豆だ。そんな自分の思い込みを砕いてくれた。さつまいもあん万歳!

初めての脱稿

ふたつ推敲を終えた。それぞれに応募した。

 

初めての快感だ。渾身の力を込めて送り出した。

 

明日は走ろうと思う。何も考えず脚を運ぶだけだ。

 

少しは次の作品を考えてみようか。汗をかきながら。

推敲するわけ

文学したいからだ。これがオレにできること。自分が描きたい未来がある。

 

ほかにも理由はある。MacBook Airで文筆したい。電動アシスト自転車が走りまわりたい。マツダRoadsterで遠くへ行きたい。

 

娘と細君を連れて南国リゾートで思いっきり遊びたい。美味いもん食べて惚けたい。飽きたら雪と氷の世界を冒険したい。

 

オレの欲望は尽きることがない。

今日も推敲

凝り出すとどこまでも手を入れたくなる。きれいに形ができると楽しいがどこかで区切らないと終わらない。

 

理想がそのまま実現するなんてことは永遠にないのだろう。エイヤで決めるしかない。

 

今のこのかたちがサイコーと信じよう。愛着ある作品を手放そう。

応募 文学への挑戦

文芸に応募するために推敲を進めている。昨年末書き終えて寝かせておいた作品だ。いったいどれに応募するのがいいのだろうと思案ばかりしていた。行きついたのが「公募ガイド」だった。いろいろなアドバイスを見つけ勉強になった。何も知識のないところから脱出し、ようやく応募先を決めた。目標が決まると気持ちが引き締まる。

 

しかし、なかなか取り掛かれず動き出すまでがひと仕事だった。よっこらせと重い腰を持ち上げるようにして、推敲に取り掛かった。

 

ひとたび動き出せば頭も回り始める。誤字脱字はないか、言い回しは合っているか、前後に矛盾がないか、などなど。本当にこれでいいのかと自問しながら地味な作業を繰り返す。

 

今日までに半分終わらせた。残り100ページとなり終わりが見えて気持ちも楽になった。自分が望む形に仕上げていく作業はことのほかおもしろい。初めての推敲は楽しい。