自家製さつまいもあん

今週のお題「あんこ」

 

パン作りが好きで、具にはあんこを使うことが多い。他にもレーズン、クルミ、ごま、チョコレートもあるが、いつ食べても美味いと感じるのはあんこ。スーパーマーケットで売っているものを使えば面倒なこともない。

 

生地をこねて一次発酵させたら、丸く薄く伸す。真ん中にあんこを置いてそれを包むように生地を寄せて閉じる。成形ができたらもう一度発酵させてから焼き上げる。オーブンの中で少しずつパンが膨らんでいく。この姿を見るのが楽しい。するとバターの香りが漂い始める。そのあとを追って小麦粉の焦げる香りが重なる。幾度となく繰り返していることだがこの瞬間はシアワセだ。焼き上がりの期待も大きく膨らむのだ。

 

それがつい一月くらい前にさつまいもあんを入れるパンのレシピを見つけた。一見あんこを自分で作るのは手間が多くてできないと思った。ところがレシピを読んでみて案外簡単かもしれないと考え直した。さつまいもをゆでて、つぶす。そこに砂糖を入れてペースト状になるまで混ぜ合わせる。それだけだ。

 

ボールの中のさつまいもあんは薄い黄色だ。少し水っぽいのではないかと心配になり味見すると十分に甘い。さつまいものやさしい甘さが口の中に広がる。これならパンの具としていけると確信した。生地にたっぷりさつまいもあんをのっけて丁寧に包んでいく。手のひらに感じるずっしり感が嬉しい。それを予熱の済んだオーブンに入れて焼く。

 

オーブンから出してまだ熱いが、待ちきれず両手でパンを割いて口に入れる。上出来だ。小豆よりなめらかな舌触りには驚く。自分で作るあんもいいもんだと満足。

 

あんこといえば小豆だ。そんな自分の思い込みを砕いてくれた。さつまいもあん万歳!