朝書くか、夜書くか

いつ書くかといえば圧倒的に夜が多い。ゆっくり時間が取れるのが夕食後だから。昼間あれこれ考えて、練ってある程度形になるのも夜だなぁ。子供とカミさんが静かになるころにパソコンに向かいキーをたたく。

 

最初ざわざわしていた頭が、だんだんと落ちついてくる。自分が文字の中に埋もれていく。大きな文字も小さな文字もひとつひとつ吟味し、丁寧に選び並べていく。前に行ったり元に戻ったりを繰り返し、一番いい形と流れを編んでいく。

 

文字がつながってくると気持ちいい。無心にキーボードをたたくだけになる。そんなときでも実際には頭を使っているのだがリキミがなくなる。全身の細胞が緊張から解放される。文字を切ったり、貼ったりして様々な工夫を凝らすのが楽しい。行き過ぎないよう自分を抑えないとならないことも。

 

文字がつながらないとウンウンと唸り、パソコンの一点を凝視して動けなくなる。ところてんを押し出すように頑張ってみるが、文字の羅列は自分の気持ちを焦らすだけだ。強引に文字を並べても、自分の思惑とは違う形になってしまう。にっちもさっちもいかなくなる。頭の中は徒労感でいっぱいになりパニック寸前だ。

 

よいときも悪いときも書いている時間はあっという間に流れていく。気がつくとときどき驚くことがある。こんなにも時間をかけてしまったのかと。書くことができる時間はシアワセだ。ありがたいということだ。

 

朝書くこともよいと思う。目覚めの頭には余計なものがない。澄み切った新鮮な頭で文字を操ることができたらどんなによいだろうか。やったことはない。起きれない。寝ぼけている。忙しい。子供とカミさんと戦わなければならない。言い訳は尽きない。